秋の深まりとともにスーパーの店頭で見かけることがある「あけび」ですが、その値段がいくらくらいか気になっている方も多いのではないでしょうか。
そもそもあけびはどこで取れるのか、業務スーパーや道の駅といった場所でも購入できるのか、また、いざ手にした時の正しい選び方や、特徴的とされるどんな味なのか、そして具体的な食べ方についても知りたいという声は多いです。
さらに、通販での取り扱いや、栄養価の高さからあけびのサプリメントが存在するのかどうかも関心が集まっています。
この記事では、あけびの値段やスーパーでの入手方法を中心に、これらの疑問を詳しく解説していきます。
- あけびの主な販売場所と価格相場
- スーパーや道の駅での取り扱い状況
- あけびの基本的な食べ方と味の特徴
- 購入時に役立つ美味しいあけびの選び方
あけびの値段、スーパーでの相場と販売場所
- あけびはそもそもどこで取れる？
- あけびは道の駅でも買える？
- あけびは業務スーパーにある？
- 美味しいあけびの選び方
あけびはそもそもどこで取れる？
あけびは、主に日本の山間部や丘陵地帯に自生するつる性の植物です。平地で栽培される果物とは異なり、他の木々に蔓（つる）を巻き付けながら、太陽の光を求めて成長していきます。
特に山形県は全国有数の主要な産地として知られています。古くから秋の貴重な味覚として地域の人々に親しまれてきた歴史があり、現在でもスーパーマーケットなどで見かけるあけびの多くは山形県産です。山形県では、ほんのり甘い果肉を味わうだけでなく、ほろ苦い「皮」の部分を味噌炒めや天ぷらにして食べる独自の食文化が根付いており、栽培も盛んに行われています。
もちろん、山形県以外でも、秋田県や岩手県といった東北地方全般、そして甲信越地方（長野県や新潟県など）の自然豊かな山々でも広く見つけることができます。
もともとは山に自生しているものを採集するのが一般的でした。砂糖が貴重だった時代には、山に入れば手に入ったこの甘い果実は、子供たちにとって格好のおやつであったと言われています。
自生品と栽培品
現在市場に流通しているあけびには、山で採れた「自生品（天然もの）」と、食用に品種改良されて畑などで育てられた「栽培品」があります。「五葉あけび（ごようあけび）」などは栽培品種として有名です。
あけびの収穫時期を見極める最大の特徴は、果実が熟すと皮が縦にパカッと自然に割れる点にあります。これは、中の目立つ果肉と種子を鳥などの動物に見せ、食べてもらうことで種を遠くへ運んでもらう（種子散布）ための、植物の賢い生存戦略です。私たち人間にとっても、この状態が「完熟して食べごろですよ」という収穫の合図になります。
山での採取に関する注意点
山にあけびが自生しているのを見かけても、安易に採取することはできません。その山が私有地であったり、国立公園・国定公園の指定区域（特に保護地区）であったりする場合、植物の無断採取は法律や条例で固く禁じられています。あけび採りを楽しむ場合は、必ず土地の所有者や管理者の許可を得るか、採取が公に認められている場所かどうかを確認するようにしてください。
あけびは道の駅でも買える？
はい、あけびを探す上で「道の駅」は、非常に有力な購入場所の一つと言えます。都市部の一般的なスーパーマーケットでは見かけることが少なくても、特定の条件が揃えば道の駅で出会える可能性は十分にあります。
その最大の理由は、多くの道の駅が地元の農産物直売所としての機能を強く持っているためです。市場を経由して全国に流通するスーパーとは異なり、道の駅では近隣の農家さんや採集した方が、収穫した農産物を直接持ち込んで販売するケースが一般的です。
前述の通り、あけびは山形県や秋田県、新潟県といった東北・甲信越地方の山間部が主な産地です。このため、これら産地に近い地域の道の駅では、あけびが「地元の秋の味覚」として認識されており、秋の収穫シーズン（9月下旬〜10月頃）になると、店頭の青果コーナーに並ぶ確率が格段に高まります。
道の駅であけびを探すメリット
- 鮮度: 最大の魅力は鮮度です。朝採れたばかりの、皮がまだ鮮やかな紫色を保っている新鮮なあけびに出会える可能性があります。
- 価格: 中間の流通コストが抑えられているため、スーパーの相場（1個350円〜400円程度）よりも手頃な価格で提供されていることも珍しくありません。
- 希少性: 時には、栽培品だけでなく、地元の人が山で採集した「天然もの（自生品）」が並ぶこともあり、スーパーでは見られない品揃えも期待できます。
道の駅で探す際の注意点
ただし、道の駅に行けば必ずあけびが手に入るとは限りません。注意点がいくつかあります。
- 時期の限定: あけびの旬は非常に短いです。9月中旬から10月下旬頃までの限られた期間を外してしまうと、産地の道の駅であっても見つけるのは困難になります。
- 売り切れ注意: 旬の味覚として人気があるため、入荷しても午前中の早い時間帯に売り切れてしまうことがよくあります。週末などは特に早めの訪問がおすすめです。
- 場所の選定: あくまで「産地に近い」道の駅での話です。あけびの食文化がない地域の道の駅では、取り扱っていない場合がほとんどですので、事前のリサーチが賢明です。
もしご自宅の近くのスーパーであけびを見かけないという方は、秋の行楽シーズンに、あけびの産地周辺へドライブや旅行を計画し、ルート上にある道の駅をチェックしてみてはいかがでしょうか。思いがけない旬の味覚に出会えるかもしれません。
あけびは業務スーパーにある？
残念ながら、業務スーパーであけびが販売されている可能性は非常に低いです。業務スーパーは主に冷凍食品や大容量の加工品、一部の輸入野菜などを中心に取り扱っています。
あけびのように旬が短く、流通量が限られる生の果物は、業務スーパーの大量仕入れ・販売の仕組みには乗りにくいのが実情です。
冷凍フルーツのコーナーを探しても、あけびがラインナップされていることはまずないでしょう。あけびを探す場合は、一般的なスーパーの青果コーナーや直売所などを当たるのが賢明です。
美味しいあけびの選び方
スーパーや道の駅などで、旬のあけびを運良く見つけたら、ぜひ美味しい個体を選びたいものです。あけびは収穫後の追熟があまり期待できず、鮮度も落ちやすいため、購入時の見極めが非常に重要になります。初めての方でも分かりやすい、美味しいあけびを選ぶための具体的なチェックポイントを詳しく解説します。
ポイント1：【最重要】皮の「割れ具合」をチェック
あけびを選ぶ上で、最も分かりやすく重要なサインが「皮の割れ具合」です。
あけびは、前述の通り、完熟すると自然に皮が縦に「パカッ」と割れます。これは、中の果肉が十分に熟し、食べごろになったという明確な合図です。このため、皮が程よく割れていて、中の果肉が見えているものを最優先で選ぶのが基本となります。
逆に、皮がまだ固く閉じており、まったく割れていないものは、まだ完熟前の可能性があります。中の果肉の甘さが十分でない場合があるため、すぐに食べたい場合は避けた方が無難かもしれません。
「割れすぎ」には注意が必要
食べごろのサインである「割れ」ですが、限度があります。もし割れ目が大きく開きすぎて、中の果肉が乾燥して縮んでいたり、割れ口のフチが茶色く変色したりしているものは、収穫から時間が経ちすぎているか、熟しすぎている可能性があります。鮮度が落ちているサインですので、選ばないようにしましょう。
ポイント2：皮の「色」と「ツヤ・ハリ」
次に、皮の表面の状態をしっかりと観察します。皮の状態は、鮮度を判断する大切なバロメーターです。
色は、品種特有の鮮やかな紫色（または淡い紫色）が均一に出ているものを選びます。部分的に黒ずんでいたり、色が褪せていたりするものは避けましょう。
また、皮の表面にみずみずしい「ツヤ」と「ハリ」があるかも重要です。皮がしなびていたり、シワが寄ったりしているものは、収穫から時間が経過し、水分が失われ始めている証拠です。ふっくらとした見た目のものを選んでください。
ポイント3：手に持った時の「弾力」と「重さ」
もし可能であれば、あけびを優しく手に持ってみてください。まず確認したいのは「弾力」です。
皮の上から軽く押したときに、カチカチに硬すぎず、かといってブヨブヨと柔らかすぎもしない、適度な弾力（反発）があるものが新鮮です。指が沈むほど柔らかいものは、熟しすぎているか傷んでいる恐れがあります。
あわせて、「重さ」も確認しましょう。見た目の大きさの割に、手に持った時にずっしりと重みを感じるものは、中の果肉や水分がしっかりと詰まっている良いあけびである可能性が高いです。
ポイント4：割れ目から見える「果肉の状態」
皮が割れている個体であれば、割れ目から中の果肉の状態をチェックします。
中の果肉は、濁りのないキレイな乳白色（または半透明の白）をしていて、みずみずしく潤っているのが理想です。前述の通り、果肉が乾燥しているものや、茶色っぽく変色し始めているものは鮮度が落ちています。
補足：もし「皮」をメインに食べたい場合は？
あけびの皮は、アク抜きをして味噌炒めや天ぷらなどで食べることができます。もし果肉よりも「皮」をメインに調理したいと考えている場合は、選び方が少し変わってきます。
皮料理には、しっかりとした食感が残っている方が向いています。このため、あえて「皮が割れる直前の、まだ固く閉じているもの」や「割れ始めのもの」を選ぶという選択肢もあります。ただし、その場合、中の果肉の甘さは、完熟して割れたものに比べると控えめになる点は理解しておきましょう。
あけびはあまり日持ちがしません。これらのポイントを参考に美味しいあけびを選んだら、冷蔵庫で保存し、なるべく1日〜2日のうちに早めに味わうことをおすすめします。
スーパーのあけび、値段以外の疑問を解消
- アケビの味はどんな味ですか？食感を解説
- あけびの基本的な食べ方
- あけびは生で食べられますか？皮は？
- アケビは体にいいですか？栄養は？
- あけびのサプリは存在する？
- あけび通販とスーパーの値段比較
あけびはどんな味？食感を解説
あけびの果肉を初めて口にする際、多くの人がまず感じるのは、その「素朴でやさしい甘み」でしょう。マンゴーやブドウのようにガツンとくる強い甘さや、柑橘類のようなはっきりとした酸味はほとんどありません。非常に穏やかで、自然な甘さが特徴です。
この独特な風味を他の果物で例えるのは難しいのですが、人によって感じ方が分かれるようです。データベースの情報によれば、ある実食レポートでは「熟した柿の甘みに似ている」「スゥーっとすっきりした甘み」と表現されていました。一方で、別の情報では「まるで南国フルーツのようなやさしい風味」とも評されています。どちらかというと、ライチやランブータンのような、水分が多くてほんのり甘い果実から、酸味を取り除いたようなイメージに近いかもしれません。
そして、味と同じくらい特徴的なのが「食感」です。あけびの果肉は、乳白色でトロッとしたゼリー状をしています。市販のゼラチンで固めたゼリーとは異なり、少しねっとりとした粘性も感じる、天然ならではの滑らかさがあります。
最大の関門：びっしりと詰まった「種」
このやさしい甘みと食感を味わう上で、避けて通れないのが「種」の存在です。あけびの果肉の中には、小さな黒い種が文字通り「びっしり」と詰まっています。
ある実食レポート（データベース情報）によれば、「バナナくらいの大きさの果実に種が237個！」もあったとされており、その圧倒的な多さが想像できます。この種は硬いため、食べることはできません。したがって、口に含んだ果肉から、スイカの種を出す要領で種だけをより分ける作業が必要になります。
この「食べづらさ」こそが、あけびの評価が分かれる最大の要因ともいえ、人によっては「食べた気がしない」と感じるデメリットにもなっています。
このように、あけびは「美味しい！」と感動するようなインパクトのある味というよりは、種の周りについた甘いゼリー部分をそっと味わい、秋の山の気配を感じるような、滋味深く、素朴な風味を楽しむ果物であるといえるでしょう。
あけびの基本的な食べ方
あけびの食べ方（可食部である果肉）は、調理などを必要とせず非常にシンプルです。初めての方でも迷わないよう、具体的な手順とコツを解説します。
まず、手元にあけびを用意したら、皮が縦に割れているかを確認しましょう。前述の通り、きれいに割れているものは完熟のサインです。
あけびの果肉を味わう手順
- あけびを開く皮が割れている場合は、割れ目に指をかけ、両手で優しく二つに割るように開きます。割れていない場合は、包丁を使って縦半分に浅く切り込みを入れると開きやすくなります。
- 果肉をスプーンですくう中には、乳白色のゼリー状の果肉が、黒い種と一体になって詰まっています。これをティースプーンなどですくってください。
- 口に含み、種を出すここが最も重要なポイントです。すくった果肉を口に含んだら、噛まずに、舌の上で転がすようにして味わいます。果肉は種の周りについている甘いゼリー部分です。口の中で果肉のやさしい甘みと風味だけを楽しんだ後、残った種は口から出します。
食べ方に関する最大の注意点：種は食べません
あけびの果肉の中には、非常に硬くて小さな黒い種がびっしりと入っています。データベース内の実食レポートによればスイカの比ではないほどの量とされており、この種は食べることができません。
そのため、スイカの種を出す要領で、必ず口から吐き出してください。間違っても果肉ごと噛み砕こうとしたり、飲み込んだりしないよう注意が必要です。この「食べづらさ」があけび最大の特徴とも言えます。
このように、あけびの果肉は「食べる」というよりも、「種の周りの甘い部分をしゃぶる・味わう」という感覚に近いかもしれません。この独特の食べ方こそが、あけびが持つ素朴な魅力の一つです。
また、データベースの情報にもある通り、食べる前に冷蔵庫で数時間冷やしておくと、果肉がひんやりとして甘みが引き立ち、より一層おいしくいただけますので、ぜひお試しください。
あけびは生で食べられますか？皮は？
はい、中の果肉部分は生で食べるのが一般的です。加熱などはせず、そのままスプーンですくって味わいます。
一方で、あけびの「皮」も食べることができます。ただし、皮は生の状態だと非常に強い苦味と渋みがあるため、生食はできません。
皮を食べる際の注意点
あけびの皮を調理する際は、必ずアク抜きが必要です。一般的には、皮をカットしてから水に数時間浸けてアクを抜きます。アク抜きをした後は、油との相性が良いため、味噌炒めや天ぷら、きんぴらなどに調理されます。
ただし、データベースの情報（実食レポート）によれば、アク抜きをしてもかなりの苦味が残る場合もあるようです。皮の調理は、その独特の苦味を楽しむ上級者向けの食べ方と言えるかもしれません。
アケビは体にいいですか？栄養は？
あけびに「体にいい」という漠然としたイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、「適量をバランス良く楽しむこと」が大切です。あけびには有用な栄養素が含まれているとされる一方で、糖質（炭水化物）も多いためです。
データベース内の情報（macaroni記事参照）によれば、あけびの果肉には「ビタミンC」が豊富に含まれているとされています。ビタミンCは、コラーゲンの生成を助ける働きや、抗酸化作用を持つ栄養素として知られています。このため、美容の維持やシミ・そばかすの予防といった面での貢献が期待されるという情報があります。
さらに、別のデータベース情報（「あけびはどこで売ってる？」記事参照）によれば、「食物繊維」も含まれているとされます。食物繊維は、腸内環境を整えるサポート役として期待されています。
また、あけびは皮も食べられるのが特徴ですが、この皮にも栄養価の高い成分が含まれているとの記述（「あけびはどこで売ってる？」記事参照）もあります。皮の独特の苦味はポリフェノール類によるものと言われており、山形県などの産地では古くからこの皮も捨てずに食材として活用されてきました。
注意点：カロリーと糖質について
一方で、注意点もあります。あけびのやさしい甘みは、主に「炭水化物（糖質）」によるものです。データベース情報（macaroni記事参照）によれば、あけびは果物の中ではカロリーがやや高めであると指摘されています。
素朴な味わいからつい食べ過ぎてしまうかもしれませんが、一度に多く食べると糖質の過剰摂取につながる可能性があるため、適量を心がけるのが賢明です。
健康情報に関する免責事項
この記事で紹介した栄養に関する情報は、あけびの一般的な特徴を解説したものであり、特定の健康効果や美容効果を保証するものではありません。また、いかなる場合においても医学的な診断や助言に代わるものではありません。持病をお持ちの方や健康に関して不安がある場合は、必ず医師や専門家にご相談ください。
あけびのサプリは存在する？
あけびの果実そのものを原料にしたサプリメントは一般的ではありませんが、「あけび」に関連する健康食品は存在します。
特に注目されるのが、あけびの「蔓（つる）」や「茎」です。これは「木通（もくつう）」という生薬（しょうやく）として知られており、古くから漢方などで利用されてきた歴史があります。（参照：日本漢方生薬製剤協会）
市場では、この木通（あけびの蔓）のエキスを配合したサプリメントが見られます。これらは果実の栄養とは異なり、主に利尿や抗炎症などのはたらきが期待されて利用されることが多いようです。
サプリメントの利用に関する注意
「木通」を含むサプリメントや漢方薬の利用を検討する場合は、必ず医師や薬剤師などの専門家に相談してください。体質や持病によっては摂取を避けるべき場合もあります。
あけび通販とスーパーの値段比較
- あけびは秋が旬の季節限定の果物
- スーパーでの値段相場は1個350円から400円程度
- 高級スーパーやデパートでは400円を超える場合もある
- あけびの主な産地は山形県などの東北地方
- 産地近くの道の駅や直売所は有力な購入場所
- 業務スーパーであけびが販売されることは稀
- 通販サイトでは1kgあたり4,000円から5,000円が相場
- 通販はまとめ買いや産地直送品を探すのに便利
- 選び方は皮が紫色でハリがあり割れているものが良い
- 中の果肉が乾燥していないかチェックする
- 味はほんのり甘く柿に似ているとも言われる
- 食感はトロリとしたゼリー状で種が非常に多い
- 食べ方は果肉を生のままスプーンですくうのが基本
- 皮は生では食べられずアク抜き後に調理が必要
- ビタミンCが豊富とされている